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2015年08月30日

秋は過ぎ去るだけの運命か

あっという間に8月も終わりかけ。

内地の方では、
お盆を過ぎて日に日に涼しくなってきていると聞きます。


秋風落莫。


夕暮れ時の寂寥感、
寒く、物悲しく、寂しくも、
気持ちと反して冷気に洗われた景色の美しさ。



好きでありんす。


いつか、その寂寥感と仲良くなりたいと思いながら生きてきました。




毎日、特に大きな悩みもなく、平穏に、だらしなく、阿呆のように暮らしています。

あえて悩みを挙げるとすれば、
肥満と、運動不足、日に日に出不精になっていくというか、
何かにつけて面倒くさいと思ってしまう仄かな退廃傾向でしょうか。


四弦亭、目下のところ座右の銘は、
「ええじゃないか」
なので、
実生活において、なんら支障をきたすわけではありませんが。



有名な古典落語「時そば」の中に、
「商売は飽きないで続けるもん、商いって言うくらいだからさ」
とありますが。
「秋ない」、秋の寂寥感を感じる暇もないくらいだから「商い」って。
いや、それは少し感傷的すぎるか。






と言うわけで、
秋に合う音楽を紹介します。



ニック・ドレイクです。


四弦亭的、ミスター寂寥感。

大大大好きなミュージシャンです。


秋は過ぎ去るだけの運命か



74年に26歳で夭逝してしまった、
イギリスのシンガーソングライター。

詳しい事はググるなり、ウィキペディアなりでどうぞ。




Nick Drake「Place to be」






ニック・ドレイクは天才でした。文字通りの。

名門ケンブリッジ大学で文学を専攻し、
周囲からその才能を確信されていたのですが、
音楽に出会い、音楽の道を進みはじめた故に不遇な死を迎えてしまいます。

皮肉なことに、死後評価された彼の音楽ですが、
彼が音楽の道を進まなかったらと思う反面、
音楽の道を進んでくれたから、
あの素晴らしい曲達を聴くことができるんだと、
複雑な気持ちに襲われます。


歴史にもしもはありませんが、
彼がちょっとだけ早く、イギリスではなく、アメリカ東海岸に生まれていたら、
ボブ・ディランと並ぶ、いや、それ以上に偉大なシンガーソングライターとして世の中に認知されていたかもしれません。




Nick Drake 「Northern sky」





素晴らしひ........


音楽的なことを言うと、
彼の特徴はギターの変速チューニングです。
オープンGが代表的ですが、
個性的で素晴らしいギタープレイも聞き所でしょうか。


それから、歌詞。


英語の得意な方は是非読んでみて欲しいです。
英語が苦手な人も、彼の歌詞は秀逸な対訳や分析が沢山ありますので、
是非、読んで欲しいです。


これが歌か!?
まるで哲学書のような、しかも、非常に秀逸な内省と示唆。

どの曲もとにかく素晴らしい。


対訳を読んでいるだけで涙が出てきますよ。



ここで、四玄亭の大好きな曲を。


1stアルバムの最後の曲。



Nick Drake 「Saturday Sun」





ああ、素晴らしひ........



小生はベース弾きですが、
彼には多大な影響を受けました。

衝撃を受けた、って言う方が正しいかもしれませんが。

音楽を、こんな密度で表現し得るのかという衝撃です。

その衝撃は未だ弱まることなく受け続けています。





あ、友人のNちゃんに彼の自伝を借りっぱなしだったことを思い出しました。
Nちゃんごめん。返すから連絡ちょうだい。








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Posted by donkubota at 05:19│Comments(0)時節柄音楽
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